本作長義(以下58字)名刀物語~長義過激派が守り、伝えるもの~

本作長義は持っている物語が弱いんだよ。

え、そうなの?

だって長義には山姥切の号が無いって明言されたから。

誰に?

徳川美術館に!

 

そんな会話を聞きつけたからには、ひとこと言わずにいられない。
なぜなら…私は長義過激派だから!

 

皆さんこんにちは。物騒なタイトルにも関わらずこの記事を開いていただきありがとうございます。
5/11徳川美術館の長義講演会に参加してきました!その時のレポになります。
レポというより、長義過激派のフィルターがかかった感想が強いのでその点は容赦ください。

といいますか私も講演会参加後色々なレポや感想、考察を読みましたが……

書き手の主観は絶対入ります。

来られなかった方に主観抜きでお伝えするにはレジェメをそのまま渡すしかないと思いました。

むしろ、同じ講演を同じ場所で聞いたのに人によってこんなにも感じるものが違うというのを楽しんでください。

 

【スタンス】
・このレポではゲームのキャラ考察は一切出しません。ご安心ください。
 あくまで講演会の感想なので。
 ただし、講演会やその後の懇親会で徳美さんからキャラのお話を割と出すので(笑)、キャラの話も多少出てきます。その際は混同しないよう「山姥切長義」と記載します

・レポ主は元々本作長義好きから山姥切長義好きになりました。
 長義歴は前記事に軽く書いてあります。

平成最後の夜に徳美貸切夜間鑑賞に行ってきたレポ - yuu_honba’s diary

 

・徳美大好きマン。友の会マン。

・他の刀・キャラの下げは絶対にしないとお約束します。
 ただし長義は推しなのでバンバンに上げます!褒めちぎります!

・基本レジェメ&メモ書きを参考にしながら、当時の私の思いをバンバンに叫んでいきます!

・講演内容はあくまで1説であり、この説が世界の全ての真実とは思っておりません。
 何百年も昔の事を正確には分かりようがないと講師の原先生自身も仰っていました
 また歴史学は時代と共に新資料発見や新説が上がり変わっていきます。

・本作長義好き&山姥切長義好きさん両方に安心して読んでもらえる内容を目指しました。
 ひとりひとり考え方は違うので全員は無理だと思いますが。
 講演会を通して感じた長義の魅力を存分にお伝え出来たらと思います。

 

 

【講演会開始前】
・長義過激派の列並びは早い。
 1時間前の15時から受付なのでその前には講堂前に列形成が出来ていたと思います。
 受付担当の方が、「すいません、お待たせして。普段の講座は講座開始30分前から徐々に集まるんですが。この講演は皆さん大変熱心で14時45分には開けますね。」

いえいえ、好きで早めに待っているだけなのでお構いなく。長義のためなら足が象さんになるまで待ち続けます!!

・早く並んだ介あり、前方お席をGET!その後は講堂への出入りは自由です。
 まだ開始1時間近くあるけどどうやって時間潰すかって…
 長義を見に行くに決まってるだろ!!
 (レポ主はそろいぶみ開始前に度々来館&貸切夜間鑑賞で長義を存分に堪能したにも関わらず、列に並んで混雑の中で長義を見るという体験がしたいが為にわざわざ並ぶ酔狂な人間です。)

 

・講演開始間近となりお席で待機 開始前に広報さん(男性)より予告がありました。

 

 因みに名刀展は原先生が展示物を選びすぎちゃって前日までケース内に全然並びきれてない状態だったそうな。

・広報さん「みなさんの長義愛を受け止める準備はできています!」

 

【講演開始】
・原先生登場。盛大な拍手でお迎えします。

・第1回+第2回併せて1600名もの人が応募。当選は枠を広げても合計360名。
 互助会・友の会(必ず一般枠当選を設ける決まりになっている)からも落選が出てしまう状況で急遽第2回の開催を決定したそうです。

・原先生「皆さんここで今年の運を使い切りましたね。」

 でもわたし刀ステも当たったから

・第2回は、北は札幌~南は北九州から参加。見れば分かるようにほぼ女性です。昔は刀剣講座は厳ついおじさんばかりだった。

・原先生「ゲームの熱も冷めたと思ったら全然そんなことなかった。おかげでGWは10連勤。床屋にも行けず……。」
 むしろ長義フィーバーでヒートアップしてるからね!
 GWは職員皆様、本当にお疲れ様です…。

・原先生「山姥切長義がここまで有名になるとは…。」山姥切長義呼びしてました。これはゲームの方を言ってるのですね。

・第1回と同じ内容ですが、第1回参加者から間違いの指摘がありました。(スゲー)
 該当箇所が来たらそのことも記載します。

 

【本作長義名刀物語~後北条家の家臣の証~編】

本作長義天正十八年庚刁五月三日ニ九州日向住國廣銘打 長尾新五郎平朝臣顕長所持 天正十四年七月廿一日小田原参府之時従 屋形様被下置也


・長義の磨り上げは目釘穴を避けて銘を入れている事から、堀川国広とは別人が行ったと推測される。
あんな長い銘を掘るような几帳面な堀川国広なら、磨り上げの際目釘穴の位置も銘入れを考えて空けると思われる。

堀川国広に銘入れを依頼する前には、既に磨り上げ後の刀になっており元々入っていた長義の銘も磨り上げ時に消えたと思われる。

・銘入れと写し作成の場所は従来説と岩田説(それに近い原説)が紹介されました。

《従来説》
堀川国広は元武将でもあるため長尾顕長と共に小田原城に籠城して小田原城内で長義の銘入れ&写しを作成した。

《岩田説》
堀川国広は文化人(学者)として足利学校が招いた。
豊臣軍に包囲された小田原城内での鍛刀は無理。長義は長尾が家臣へ託して足利に送り足利で堀川国広に銘を入れさせた。

《原説》
まず、長義は北条氏直より拝領した贈答下賜刀剣である。贈答下賜刀剣は当時より骨董的な価値を有するため実践刀として扱われない。
家の威信材として継承すべき刀剣であるため、戦時中の小田原へ持参したとは考えにくい。
以下はレジェメには記載なし口頭
また包囲網を突破して大事な刀剣を足利まで送るのはリスク大。奪われたり損なわれるおそれもある。
人ひとりや手紙ぐらいならやることは出来るかもしれない。
なので長義は最初から安全な長尾領地の足利に保管しており、敗戦濃厚となった際に、何らかの手段で足利へ長義の銘入れを命じた。

 

贈答品である証拠は無いが、原先生は徳美で数々の贈答刀剣を見てきたので僕はこう思うと仰っていました。
長義作の刀は名刀なので、後北条家の家宝とも言っていましたね。そんな大事なものを頂いたら勿体なくてとても戦場で使えないと。

 

長尾顕長に下賜する前の長義については不明なのですが。後北条家の家宝……想像するとなんだかワクワクします。きっとすごく大切にされていたのでしょうね。

長義が実践刀かどうかについては、貸切夜間鑑賞時に参加者の方が、
「本作長義は刃の幅がとても広い。刀は使われれば使われるほど研いでどんどん刃の幅が減っていくものなので、本作長義は箱入り息子かもしれない?」
とも仰っていました。なるほど刀そのものからも家宝説が推測出来るのですね……。

本作長義何回も見てるけどそこまで考えたことなかった。

 

しかし1つ疑問が
《岩田説&原説》はとても説得力があるけど、2018年徳美の戦国展での本作長義解説となんか違うような…
講演後に原先生に質問して「ええー!?」っとなりました。この事は後から書きます。


それとレジェメには記載されてませんが、以下説明してくれました。
堀川国広の銘はくどい!いかにも学者っぽい。それが現在の歴史学としてはありがたい貴重な刀。」
「その詳細な銘により本作長義は工芸品という刀の域を超えて歴史的資料として非常に重要である。」
「本作長義は後北条家の家臣の証の刀。」

 

はいっ!私もそう思います!!(クソデカボイス)


ありがとう;;ありがとう;;
本作長義という刀そのものが歴史的観点でも、とても貴重であると以前から思っていたので、改めてこの講演会でもその点に触れていただけて本当に嬉しいです;;
しかもここまで褒めてもらえるとは;;

 

 以上が簡単にですが尾張徳川伝来前の本作長義になります。

 

長義は山姥切以外の物語が弱いって?
馬鹿を言うでないよ!!
これが長義の立派な物語だ!!!!

 

しかも外ならぬその身にしっかりと刻まれているのです!長義の物語が!
ほとんどの場合刀の銘は作者のみでここまで、いつ・何処で・誰が・何をしたかハッキリ記載されているのは珍しいです。
折れたり燃えたりしない限り、貴重な歴史的資料としてずっとずっと残り続けます……。

長尾顕長は北条にずっと仕えていた家臣では無いです。
本作長義が現代まで健全な状態で残り続けたことにより、この刀は屋形様(北条氏直)から小田原城長尾顕長が拝領した、この時期は確かに長尾顕長は後北条家に仕えていたとしっかり証明してくれているのです。
(長尾顕長については、講演の本筋から逸れるので説明省きます。)


「本作長義は後北条家の家臣の証の刀。」
「本作長義は歴史的資料。」

もはや
本作長義=歴史
なのでは?
(長義過激派なので大げさに言いますよ。推しは上げるものです。)

 

しかも長義の名刀物語はこれだけで終わりません。まだまだ続いていきますが、今回はここまでとします。

私にとってもうこの時点で素晴らしい長義の話を沢山聞けてクライマックス感があったのですが……。
次回、尾張徳川に渡ってからの本作長義でもう一度歓喜することになります;;

 

非常に拙い文章でしたが、まずはここまで読んでいただきありがとうございました!

 

 (5/18追記)続きの中編を上げました。

長義の傑作~本作長義は超おもしろカッコイイぜ☆~ - yuu_honba’s diary

 

 

【おまけ】

 

懇親会でいただいたスペシャルスイーツ通称「ちょぎカップ」が、徳美の喫茶でも食べられるようになりました!
しかも広報さん(女性)の本作長義&山姥切長義愛が両方ギュッと詰まっており、カップケーキの中には山姥要素があるそうです。
山姥要素は各自食べた時に探してみてください。
そのケーキを、小さな菓子切長義でぶった斬ることで、なんと山姥切長義を再現出来るのです。
みなさん山姥切長義はこちらです!
山姥切長義を再現したければ徳川美術館へいらっしゃい!!